湿度が高いと危険!気になるお部屋のカビ対策や掃除のポイント
ジメジメ過ごしにくい梅雨がやってきました。梅雨に発生しやすいのが「カビ」です。なんだかお部屋がカビ臭い…そんなあなたの部屋はカビが繁殖しているかも!?さらにカビは放っておくと、不衛生なだけでなく体調不良になるケースもあります。そこで今回は、カビの種類やカビが原因で起こる病気、普段からできるカビ対策、掃除のポイントについて詳しくみていきましょう。
2018年12月20日更新
記事の目次
[1]なぜカビが発生するの?
カビは、意外な様ですが微生物の一種で空気中に常に存在し、私たちと共に生活をしています。空気中を漂うカビの元となる微生物が漂っているうちに、物質に付着し、条件が揃うと私たちが知っているカビへと変化していきます。
その条件とは、いったい何でしょうか?
- 酸素がある
- 10℃~35℃の適度な室温
- 80%以上の湿度がある
- ホコリやチリなどの栄養分がある
この条件をみると、まさに今、この湿気が多い「梅雨の時期」はカビの発生が高いということが分かります。とはいえ最近では、気密性の高い家も増えたことで、条件さえ揃えば季節を問わずカビが発生しやすくなっており、その対処に悩む方も多いようです。
さらにカビはそのまま放置すると体調不要になる場合もありますので早めの対処が必要ですよ。
[2]カビ臭い原因は?
家に帰るとなんだか部屋がカビ臭いなと感じたことはありませんか?実はカビ自体には元々臭いがありません。あの嫌な臭いの原因はカビが繁殖する際に出す老廃物の臭いなのです。さらにカビは繁殖すればするほどカビ臭さが増していきます。
私たちが家の中でカビ臭さを感じた時点でカビはかなり繁殖している可能性があります。カビ臭さを感じたらすぐに掃除に取り掛かりましょう。
[3]カビの種類は8万種類!?
カビは多くの種類があるといわれていて、その数は何と8万種類ともいわれています。その中でも私たちの身近に発生する代表的なカビについて詳しくみていくことにしましょう。
黒カビ
正式名称を「クロドスポリウム」といいます。低温や乾燥にも強くカビの中でも生命力が強いといわれています。家の中では浴室や壁、衣類などに発生しやすく喘息やアレルギーの原因にもなります。
青カビ
正式名称を「ペ二シリウム」といいます。医療現場で使われるペニシリンは医療の現場でも利用されています。みかんやリンゴなどの果物やお餅やパンなどに発生しているのを見たことある方も多いでしょう。家の中では、家具や押入れ畳などに発生します。青カビとはいいますが、中には白やグレー、ピンク、緑と様々な色があります。
青カビは、カマンベールチーズなどにも使われるカビ菌なので安全かと思われがちですが毒性を発生させるものも多く、肝硬変、肝臓癌、腎臓がんなどを引き起こすともいわれています。
赤カビ
正式名称を「フザリウム」といいます。冷蔵庫に放置した瓶詰の食材、古いご飯などに発生する派手なピンクのカビです。このカビは、マイコトキシンというカビ毒を生産し、体内に入ることで嘔吐や下痢などの食中毒症状を引き起こす原因にもなります。家の内装材にも発生し、アレルギーを発症するこもあります。
ススカビ
正式名称を「アルテルナリヤ」といいます。果物やうどんなどによく発生する綿毛状のカビです。お風呂場(シャワーカーテン、洗面器の裏側)やキッチン周り(タイル、ホース、ゴム手袋)、エアコン内部などに発生しやすいといわれています。なんとプラスチックを腐らせる強い力を持っています。
またススカビの胞子は大きいのにとても軽くて空気中に飛散しやすく、浮遊時間も長いという特徴があります。そのため鼻腔内にとどまりやすくアレルギー性鼻炎の原因にもなります。さらに重症化すると皮膚真菌症や角膜炎、副鼻腔炎などの病気を招く恐れもあります。
コウジカビ
正式名称を「アスペルギルス」といいます。コウジカビは、お酒やしょうゆなどの製造に利用されてきた菌ですが畳や壁、木材、衣類などに発生しやすいカビです。また、ハウスダストを起こす原因の1つともいわれていてカビ性肺炎にも注意が必要です。
[4]カビが原因で体調不良になることも
アレルギー疾患
■アレルギー性鼻炎
鼻にカビが付着することで、過剰反応を起こしクシャミや鼻水、鼻づまりを引き起こします。一見風邪とも思われがちですが、立て続けにクシャミが出て鼻水が流れるように出てくることが多いようです。上記でも説明したように、「ススカビ」によって起こりやすくなります。
■アレルギー性皮膚炎
カビによって皮膚に炎症が起こりかゆみを伴います。幼少期に発生するアトピー性皮膚炎もカビが原因の場合もあります。
■アレルギー性結膜炎
目の結膜にカビが付着することで結膜が充血し、かゆみや目やにが出てくる病気です。鼻炎が合併すると慢性化することもあります。
■アレルギー性喘息
カビが気道に入ることで過剰反応し気道が狭くなり呼吸困難になります。咳や痰が出てきて、ゼーゼー、ヒューヒューと呼吸が荒くなり、横になることができません。幼少期に発生することが多いといわれています。
感染症
■水虫
白癬菌と呼ばれるカビが皮膚の角質層に寄生することで起こります。皮膚がただれかゆみを伴います。男性だけでなく女性も発症し、足に発生することが多いのは、足は蒸れやすくカビが生息しやすい場所だからです。
■タムシ
陰部に白癬菌が感染し、股間に強いかゆみと発疹が現れます。男性に多い病気ですが、女性でも発症します。
カビ中毒
カビが生えた物を摂取した場合には食中毒のような症状が現れますが、「カビ中毒」は、主な症状としては、腹痛、下痢、吐き気、嘔吐、血便などがみられます。しかし長期にわたり摂取してしまうと肝障害や腎障害、消化器系障害を発症し、命にかかわる場合もあります。
肺アスペルギルス症
アスペルギルスというカビが原因で発生します。肺炎だけでなく内臓などに症状が現れます。
アスペルギルスは食品やカーペット、衣料品、エアコン等にいてそのカビを吸いこむことで発生すると言われています。
夏型過敏性肺炎
夏に発生しやすい肺炎で、咳が出て苦しくなるだけでなく、熱が出るのも特徴です。
浴室と脱衣所の間やキッチンの流し台などに多くいるトリコスポロンというカビが原因で発症します。
換気装置肺炎
空調肺、加湿器肺と呼ばれ、エアコンや加湿器の中のカビを吸い込んでしまうことで肺炎を発症します。
[5]部屋の中でカビが生えやすいところって?
カビが繁殖しやすいのは、結露がよくできているところや、空気がたまりやすい所になります。具体的には、キッチンや浴室、洗面所などの水回り、畳、本棚、窓や窓周辺、押入れの壁、締め切られた室内、北側の部屋になります。湿気やすく、乾燥しづらい場所、換気できない場所はカビが増殖しやすいので注意しましょう。
北側の部屋は太陽が当たららず一日中温度は低いままなので、冷えた外壁と温められた室温との差が大きくなることで結露が発生しカビが起こりやすくなります。
[6]カビの予防と掃除のポイント
部屋の中でカビをみつけたら大きくなる前にカビを除去しましょう。カビの除去には、しっかりと汚れを落とした後、殺菌をする必要があります。殺菌をしないとカビがとりきれず、しばらくするとまたカビが発生してしまいますのでしっかり行いましょう。
換気
まずは、窓をあけて換気をしてください。これは、カビの除去時だけに限らず日頃から行うことでカビの発生を防ぐことができます。
室内にカビが発生しているということは空気中にカビの元となる胞子が浮上しています。掃除中はしっかりと換気をし、胞子を家から外へ出すようにしましょう。また、換気といっても換気扇では不十分なのでしっかり窓を開けて行ってください。
ドライモップと掃除機
掃除をする時は、まず掃除機をかける方が多いと思いますがそれはNGです。カビの胞子は床に落ちていることが多く、掃除機でカビの元となる胞子を吸いこんでしまうと勢いよく排出口から出てきてしまいカビの胞子を舞い上げ広げてしまいます。ですから掃除機の前に拭き掃除をすることがポイントになります。
床や畳を濡れた雑巾で拭くと、湿気でカビを増やしてしまう可能性があります。できればドライモップが望ましいでしょう。ドライモップの後、掃除機をかけることでモップで取りきれない細かいゴミも取り除けます。どうしても濡れた雑巾を遣いたい場合には、固く絞り、しっかり乾燥させ除菌するのがおすすめです。
除菌にはエタノール
カビを取り除いた後の除菌には、エタノールが良いでしょう。エタノールは匂いも残らずすぐに乾き、カビのタンパク質を分解して死滅させてくれる効果があります。またカビを除菌しながらも消臭効果もあります。ドラッグストアで販売している消毒用アルコールスプレーか無水エタノールを購入し、エタノール6、水4の割合で混ぜ、スプレーを作る方法もあります。
ただし、エタノールを使用する場合には火のそばでは使用せず換気をしながら行いましょう。また水性ワックスやニスなどの塗装部、アクリル製のプラスチックや白木や桐の家具、絹などにスプレーする時は、変質がないか確認してから使うようにしましょう。
カビ臭さを除去するには
カビを取り除いてもまだ臭いがする場合には、エタノール以外にも、重槽や市販の消臭剤などがあります。直接振りかけられる場合には、粉を撒き、臭いが取れたら掃除機で吸い取りましょう。洗い流せる場合は、水に溶かした重曹をスプレーボトルに入れて吹き付けてください。
消臭剤は、成分をよく確認し、カビ予防成分が配合されているものを選びましょう。臭いが気になる所に置くだけで臭いを消してくれるだけでなく、カビの発生を抑えてくれます。
簡単にできるカビ予防
ドラッグストアなどに行くとカビ対策としてさまざまな商品が置いてあります。浴室くん煙剤や除湿剤、空間を除菌する芳香剤などが販売されています。こういった商品を日頃から使用することでカビ発生を予防することができます。
また、エアコンには除湿機能があります。この機能を使うのも良いですね。普段から湿度計を設置して部屋の湿度を気にかけるようにするのもポイントです。
こんなことにも注意して!
◆室内干しは注意
お天気が悪いと室内に洗濯物を干す方も多いはず。でも風通しの悪い室内に洗濯物を干すと湿度が高くなり、カビが発生しやすくなります。乾燥機にかけたり、浴室などの風通しのよい場所に干すようにしましょう。
◆来客用布団もこまめに干そう
普段は使用しない来客用の布団も定期的に干すようにしましょう。また布団だけでなく、長期間使用しない布団が閉まってある押入れの床はカビが発生しやすくなります。スノコをひいたり、定期的に押入れを乾燥させるようにしましょう。
◆カビとり剤の取り扱いには注意
カビができてしまいカビを除去しようとドラッグストアなどで売っているカビ取り剤を使用する方も多いとは思いますが、市販のカビ取り剤は効果が高い分、変色や強い臭いで気分が悪くなる、目や鼻が痛くなることもありますので換気したり、マスクをつけるなど注意して使用するようにしましょう。
さらにカビ取り剤は強アルカリ性の為、カビだけでなく他の菌も殺してしまいます。そうするとさらにカビがつきやすい環境になってしまいますので、カビとり剤に頼りすぎずに日頃からカビ予防に努めるようにしましょう。
◆殺虫剤はNG
カビに殺虫剤が効きそうだから殺虫剤を使用する方もいるようですが、逆に栄養を与えてしまう場合がありますので使用しないようにしてください。
お掃除のプロに依頼するのも手
いくら頑張っても自分では難しく感じた場合には、プロに頼るのも良いでしょう。お掃除会社には、それぞれ得意分野がありますので、電話等で確認し、カビをしっかり除去してくれる業者を選びましょう。
[7]こまめな換気と掃除で快適な生活を
日本は湿気が多く、カビができやすい環境です。小さいお子さんやご高齢の方と一緒に住んでおられる方は特に注意が必要です。カビが一旦しまうとお掃除とても大変です。日頃から、カビができないよう予防することがとても大切です。
こまめな掃除、換気、通気、湿度を下げるというポイントを抑え、カビに悩まない快適な生活が送れるといいですね。